カナダもパレスチナ国家承認へ=「2国家」実現に向け表明続く



【ニューヨーク、カイロ時事】カナダのカーニー首相は30日、オタワで記者会見し、9月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を示した。承認方針を打ち出したのはフランスと英国に続き、先進7カ国(G7)では3カ国目。イスラエル外務省は声明で、承認はパレスチナのイスラム組織ハマスへの「褒美」になると強調。カナダの決定を「拒否する」と猛反発した。

カーニー氏は「(イスラエルとパレスチナの)二つの国家が平和的に共存することが、安全で繁栄した未来への唯一の道筋だ」と強調。承認を表明する国が続いていることで「(2国家共存)実現の可能性が高まる」と指摘し、英仏の方針が影響を与えたと認めた。世界では既に約150カ国がパレスチナを国家として承認しているが、日本や米国、ドイツなどは認めていない。

カーニー氏は承認に向け、パレスチナ自治政府のアッバス議長に対し、アッバス氏が表明しているパレスチナの非軍事化やハマスを排除した評議会(議会)選の実施などの抜本的改革に取り組むことを求めた。同氏と30日に電話会談し、改革方針を確認したという。

ニューヨークの国連本部では28~30日に仏サウジアラビア主催のパレスチナを巡る国際会合が開かれ、マクロン仏大統領はこれに先立ち承認の方針を表明。英国とマルタが続いていた。2国家共存に反対する米イスラエル両国は会合を欠席した。

会合では2国家共存に向けて「具体的で期限を定めた不可逆な措置を講じる」とする「ニューヨーク宣言」が示され、仏サウジ両国は参加国に支持を呼び掛けた。両国は9月の国連総会に合わせて、首脳級の会合を開く予定。

【時事通信社】 〔写真説明〕30日、オタワで記者会見するカナダのカーニー首相(AFP時事)

2025年08月01日 12時41分


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