【ワシントン時事】トランプ米大統領は11日、記者会見を開き、首都ワシントンの治安対策に州兵を投入すると表明した。ワシントン警察当局を連邦政府の管理下に置くとも述べた。
トランプ氏はワシントンの治安について「何かが急速に制御不能になっている」と主張。さらに「ワシントンの解放の日だ。われわれは首都を取り戻し、連邦の管理下に戻す」と訴えた。
ただ、統計によると、ワシントンでは近年暴力犯罪件数が減少している。バウザー市長は11日、CNNテレビで「犯罪の増加は全くない」と反論した。
トランプ氏は6月にも、西部カリフォルニア州で起きた政権の移民政策に対する抗議デモ鎮圧のため、同州知事の同意を得ずに州兵を動員した。今回は首都に司令部を置き、大統領の指揮下にある「コロンビア特別区州兵」を主に投入する。
今月に入り、行政の無駄を省く新組織「政府効率化省(DOGE)」の元職員が自動車盗に遭い負傷する事件が発生。トランプ氏はこれを受け、「ワシントンの犯罪は完全に制御不能だ」と訴えていた。
首都の治安維持を巡っては、ワシントン・ポスト紙(電子版)も10日、連邦捜査局(FBI)が要員約120人を投入したと報じた。自動車盗やその他の凶悪犯罪に対処する地元警察の支援に当たるという。ただ、FBI捜査員の中には地域警察業務に不慣れな者も多く、混乱を招く恐れがある。
【時事通信社】
〔写真説明〕11日、ホワイトハウスで記者会見するトランプ米大統領(AFP時事)
2025年08月12日 07時32分