ノーベル化学賞受賞が決まった京都大の北川進特別教授(74)は9日午前、京大で改めて記者会見した。決定から一夜明けた感想を問われると、「やることがいっぱいある。研究を振り返ったり、感慨に浸ったりするのはだいぶ先になりそうだ」と笑顔を見せた。
昨夜は帰宅すると「しっかり睡眠を取ろうとバタンキューだった」という。現在はお祝いのメールが多く寄せられ、チェックする時間もないとし、「いつもより早く休んで、体を大切にしたい」と強調。大学では副学長に加え、研究推進担当理事を務めているが、「理事業務は勘弁してほしい」とぼやき、笑いを誘う場面もあった。
受賞決定後、開発した多孔性材料が多くのメディアで取り上げられたことには、「だいぶ分かっていただいた」と手応えを感じた様子。「一般の方に分かりやすく説明したいし、研究者もそういう姿勢を持ってほしい」と話した。
昨晩は多くの学生が大学に集まり、受賞を祝福された。「学生の賞に対する気持ちを感じた。心を引き締めて頑張りたい」と決意を新たにした。
会見に先立ち、拍手で出迎えた教職員らから花束を贈られると、「この分野がますます広がり、学術だけでなく、いろんなニーズが出てくると希望している」と晴れやかな表情で語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕ノーベル化学賞の受賞発表から一夜明け、大学職員から花束を受け取る北川進・京都大特別教授=9日午前、京都市左京区
〔写真説明〕ノーベル化学賞の受賞発表から一夜明け、記者会見する北川進・京都大特別教授=9日午前、京都市左京区
2025年10月09日 16時47分