架空の売上高を計上して決算を粉飾したとして、東京地検特捜部は9日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、人工知能(AI)開発会社「オルツ」(東京都港区)の元社長米倉千貴(48)、前社長日置友輔(34)両容疑者ら4人を逮捕した。認否は明らかにしていない。
逮捕容疑は2022年1月~24年6月の売上高を計約84億円水増しした有価証券届出書を同年9月、関東財務局に提出。東証グロース上場後の今年3月には、24年12月期の売上高を約49億円水増しした有価証券報告書を提出した疑い。
上場から半年たった今年4月に粉飾決算疑惑が浮上。第三者委員会が7月、実態のない架空取引を繰り返す「循環取引」で売上高を計約119億円過大計上していたなどとする報告書を公表し、創業者の米倉容疑者が社長を辞任した。8月に東京地裁で民事再生手続きの開始が決定し、上場廃止となった。
4月に証券取引等監視委員会が関係先を調査。特捜部も同社関係者から任意で事情聴取し、不正への関与について調べていた。
【時事通信社】
〔写真説明〕オルツ本社に家宅捜索に入る東京地検の係官ら=9日午後、東京都港区
〔写真説明〕日置友輔容疑者(オルツHPより)
〔写真説明〕米倉千貴容疑者(オルツHPより)
2025年10月09日 20時24分