
【ワシントン時事】トランプ米大統領は24日、マレーシアと日本、韓国への外遊を開始する。第2次政権下で初めての訪日で、就任間もない高市早苗首相と28日に会談。首脳間の関係構築が最大の焦点になる。ランド研究所のジェフリー・ホーナン上級政治研究員と、第1次政権で大統領次席補佐官を務めたアレキサンダー・グレイ氏に会談の展望を聞いた。
◇「安倍路線」継承、関係にプラス
米シンクタンク「ランド研究所」のジェフリー・ホーナン上級政治研究員の主な一問一答は次の通り。
―トランプ米大統領訪日の狙いは。
高市早苗首相が誕生し、目的が変わった可能性がある。現実的に見て、高市政権が短期間で達成できることは少ない。トランプ米大統領と協力関係を築き、共通の目標を示すことはできるだろう。トランプ氏は防衛費増額などの期待を表明するかもしれないが、日米同盟が機能するにはまず首脳間で信頼関係を築く必要がある。
―トランプ氏は防衛費増額を要求するか。
トランプ政権高官の発言を踏まえると、そうした要請があると予想する。トランプ氏は防衛費増額を取り上げるだろうが、高市氏が首相に就任したばかりでもあり、深入りしないのではないか。
―「安倍路線」の継承者と見なされている。
トランプ氏が故安倍晋三元首相を深く尊敬していたこともあり、高市氏とはすぐに打ち解けるだろう。高市氏が中国を「挑戦」と捉えていることや防衛力強化を目指していることもプラスに働く。会談成功に向けた条件はそろっている。
―不安定な政権基盤への懸念はあるか。
日本の政情不安が日米同盟に影響を及ぼす恐れがある。首相が短期間で代われば、外交面で目立った存在感を示すことはできない。支持基盤を固めるため、内政に集中せざるを得ないからだ。(防衛費増額など)安全保障面でやりたいことがある半面、経済面でやらなければならないことがあり、高市氏は難しい立場に置かれている。(ワシントン時事)
。
【時事通信社】
〔写真説明〕米シンクタンク「ランド研究所」のジェフリー・ホーナン上級政治研究員=21日
2025年10月25日 13時28分