ロシアのラブロフ外相、安保会議に姿なし=首脳会談調整失敗で不興買う?



ロシアのプーチン大統領が5日に開いた最高意思決定機関の安全保障会議で、ラブロフ外相の姿が見られなかったとして臆測が広がっている。独立系メディアのモスクワ・タイムズは6日、ラブロフ氏が米ロ首脳会談の調整に失敗したことから「プーチン政権内で不興を買ったのではないか」と伝えた。

プーチン氏とトランプ米大統領は10月16日に電話で協議し、ロシアのウクライナ侵攻を巡ってハンガリーで会談することで合意。実現に向けて20日に外相レベルで電話会談が行われたが、ラブロフ氏は停戦に関して強硬姿勢を崩さなかったとされる。トランプ氏は翌21日、「無駄な会談は望んでいない」と突き放した。

今回、安保会議の冒頭で話し合われたのは、トランプ氏が核実験再開を指示した問題。プーチン氏は対抗措置としての核実験を示唆した上で、外務・国防両省などに情報収集・分析を命じたが、会議にラブロフ氏の姿はなかった。コメルサント紙(電子版)は関係筋の話として「ラブロフ氏は同意の上で欠席した」と報道。ただ、2004年から外相を務める同氏としては異例の事態だ。

これとは別にプーチン氏は4日、南アフリカで今月開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に自身に代わり、オレシキン大統領府副長官を派遣すると決めた。プーチン氏は22年のウクライナ侵攻開始以降、G20サミットにラブロフ氏を代理出席させてきた経緯があり、モスクワ・タイムズは安保会議の欠席問題と関連付けて報じている。

【時事通信社】 〔写真説明〕ロシアのプーチン大統領(右)とラブロフ外相=9月1日、中国・天津(EPA時事)

2025年11月08日 07時05分


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