タイ下院解散、総選挙へ=来年2月8日に実施か



【バンコク時事】タイのアヌティン首相は11日、下院(定数500)を解散する意向を表明した。ワチラロンコン国王がこれを承認し、12日に解散の勅令を発布した。現地メディアによると、選挙管理委員会のナロン委員長は同日、総選挙実施は来年2月8日になる可能性があると述べた。

タイとカンボジアの国境地帯では、軍事衝突が続いている。そのさなかでの下院解散で、情勢は不透明感を増している。

アヌティン氏は今月11日夜、自身のフェイスブックに「権力を国民に返還する」と投稿。下院解散を求める書面を国王に提出していた。憲法は解散から60日以内に総選挙を行うと規定している。

保守派「タイの誇り党」を率いるアヌティン氏は9月、憲法改正と来年1月末までの下院解散などを条件に、革新系最大野党「国民党」の支持を取り付け、新首相に選出された。ただ、国民党は野党にとどまり、アヌティン氏は他の保守派と連立を組む少数与党での政権となった。

現地メディアは、国会で議論されていた憲法改正を巡り、国民党が内閣不信任案を提出する構えを見せたことが解散のきっかけになったと伝えている。12日付の官報で、アヌティン氏は下院解散を求めた理由について「安定的な統治が不可欠なためだ」と説明した。

【時事通信社】 〔写真説明〕タイのアヌティン首相(中央)=11月11日、バンコク(AFP時事)

2025年12月12日 15時13分


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