戦後の「置き去り」懸念=イラン対岸の湾岸諸国



【カイロ時事】米イスラエルによる軍事作戦を受け、イランは米軍の基地などがある湾岸諸国への報復攻撃を激化させている。湾岸諸国では米国が作戦から手を引いた後も、ペルシャ湾を挟んで対岸に位置するイランからの敵視が続き、地域の緊張の中で「置き去り」になる事態への懸念が高まっている。

米イスラエルの軍事作戦が始まった2月28日以降、イランは5000近くの弾道ミサイルと無人機を湾岸諸国に向けて発射したとされる。エネルギー施設に被害が出た上、原油輸送の要衝ホルムズ海峡は封鎖状態に陥った。国連人権理事会では3月25日、クウェートの代表者が「地域の存亡の危機だ」と悲鳴を上げた。

サウジアラビアの首都リヤドでは18、19両日、湾岸諸国などが外相会合を開き、イラン情勢への対応を協議した。共同軍事作戦の可能性が検討されたとの情報もあり、サウジのファイサル外相は会合後、「われわれには軍事行動の権利がある」と強調した。

湾岸諸国ではサウジとアラブ首長国連邦(UAE)が軍事作戦に前向きとされる。米紙ニューヨーク・タイムズは、サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子がトランプ米大統領にイランの「体制排除」の必要性を訴え、戦争継続を働き掛けたと伝えた。

「主戦論」の背景には、イランで現体制が残る状況で米国が「勝利」を宣言して中東への関与を弱めれば、将来もイランからの報復の対象となりかねないとの強い懸念がある。UAE大統領顧問は、いかなる停戦でもイランの核やミサイルを制限する内容でなければならないと訴える。

ただ、湾岸諸国も対イランで一枚岩ではなく、オマーンはイランと良好な関係を続ける道を模索。イランは米イスラエルを排除した中東での「安全保障・軍事同盟」の設立を訴え、湾岸諸国の切り崩しを図っている。

【時事通信社】

2026年03月27日 07時04分

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