続く健康被害「忘れてはならない」=被災者支援、先細りに危機感も―チョルノービリ事故40年



旧ソ連・ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故から26日で40年。周辺住民らは今も放射線の健康被害に苦しんでいる。被災者支援に取り組む「チェルノブイリ子ども基金」(東京都練馬区)は募金の減少による活動の先細りに危機感を募らせ、「汚染は続いている。事故を忘れてはならない」と訴える。

同基金は1991年4月設立。事故が原因でがんなどの病気になったウクライナとベラルーシの子供たちを35年にわたり支援している。

2018年の国連機関の報告書によると、原発周辺の汚染地域では事故後、子供の甲状腺がんが急増。91~2015年、事故当時18歳未満だった人の発症例は2万件近くに上った。

甲状腺の全摘手術を受けた患者はホルモン剤の服用が生涯必要となるため、基金は購入資金を援助してきた。事故後に生まれた子供が放射能汚染により腫瘍を患ったとみられる事例も相次いでいるという。基金の小寺隆幸共同代表(74)は、医療費が家計の負担となり「経済的に困っている人も多い」と支援の必要性を強調する。

基金の悩みの種は活動資金の減少だ。募金などによる収入は06年には約4600万円だったが、25年は約1600万円まで落ち込んだ。基金を長年支えてきた支援者の高齢化が一因といい、医療機器の購入援助を断念するなどの影響も出ている。小寺さんは「40代以下の人は事故の記憶もなく、支援の輪がなかなか広がらない」とさらなる風化を懸念する。

「40年たったチョルノービリは(11年に原発事故が起きた)福島県の25年後の未来として見ることもできる」と小寺さん。チョルノービリの現実を通じて「汚染の実態をきちんと伝え、子供たちへの影響が少なくなるようにしていくしかない」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕「チェルノブイリ子ども基金」共同代表の小寺隆幸さん(中央)ら=22日午後、東京都練馬区 〔写真説明〕「チェルノブイリ子ども基金」の支援で、甲状腺ホルモン剤を受け取った患者=2月、キーウ(同基金提供) 〔写真説明〕「チェルノブイリ子ども基金」の支援で購入した医薬品を受け取る看護師=2月、キーウ(同基金提供)

2026年04月25日 14時31分


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