
【ワシントン時事】トランプ米大統領は21日、イランへの強硬姿勢を一転させ、停戦を延長すると明らかにした。米軍はイラン港湾の封鎖継続に加え、海上での取り締まりを拡大している。軍事力ではなく経済面で圧力を強め、交渉でイランから譲歩を引き出す方針にかじを切った可能性がある。
これに先立ち、トランプ氏は21日朝、CNBCテレビのインタビューで「(停戦の延長は)したくない。多くの時間はない」「爆撃することになるだろう」と述べ、攻撃再開をにおわせていた。1日もたたずに態度を一変させた背景には、過激な発言とは裏腹に戦闘の再開に踏み切れないさまざまな事情がある。
トランプ氏は、イランに対して発電所や橋への攻撃を行うと警告してきたが、実施すればイランによる湾岸諸国のエネルギー施設への報復攻撃が想定される。米経済に悪影響を及ぼす油価高騰を招くのは必至だ。一方、米軍はインド太平洋地域の公海上でもイラン関連の石油タンカーの臨検を開始するなど、イランの収入源に打撃を与える戦術を拡大している。
また、米ニュースサイト「アクシオス」は、トランプ氏が停戦延長を決断した理由の一つとして、イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師が米側の最新の提案について判断を下すのを待っているためと報じた。トランプ政権は、イラン指導部が分裂しており、公の場に姿を見せていないモジタバ師が交渉に関して最終的な決定をできるかどうか見極める時間が必要と判断したもようだ。
一方、ワシントン・ポスト紙によると、3隻目の米空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」が数日中にも中東地域に到着する。米海軍は戦闘開始以降で最大規模の戦力となるという。トランプ氏は停戦延長の期限を示しておらず、情勢は極めて不透明だ。不満を募らせたトランプ氏が再び軍事オプションに傾く可能性も排除はできない。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領=21日、ワシントン(EPA時事)
2026年04月23日 10時21分