
【イスタンブール時事】イランは米国との停戦が21日に延長された後も強硬姿勢を貫く構えだ。米軍によるイラン船舶への海上封鎖が解除されなければ対米協議に応じない立場を鮮明にしており、妥協の余地を見いだせないのが実情だ。
精鋭軍事組織「革命防衛隊」に近いタスニム通信は21日、過去数日のやりとりでも「米国が過剰な要求を撤回せず、意義ある進展がなかった」として、「適切な合意が妨げられているため、協議は時間の無駄だ」と批判した。停戦発表後には「トランプ(米大統領)は戦争で何も得られないと知り、最善策は戦争から出ることだと考えている」とイランの優位性を主張した。
ただ、イランにとって米軍の封鎖解除は、経済的打撃を抑えるためにも喫緊の課題となる。トランプ氏は「イランは1日当たり5億ドル(約800億円)を失っている。財政面で崩壊しつつある」と封鎖の成果を誇示し、停戦延長を発表した21日のSNS投稿でも封鎖継続を明言した。圧力強化で譲歩を迫る戦術は変わらず、イランは態度を一段と硬化させる可能性もある。アラグチ外相は「封鎖は戦争行為だ」と非難した。
トランプ氏の停戦延長は、「イランの指導者や代表者が統一した提案を示すまで」という条件付き。一方、イランでは徹底抗戦を掲げる革命防衛隊の国政での影響力が増し、強硬派と穏健派の亀裂も指摘される。強硬派がホルムズ海峡の開放やウラン濃縮活動などを巡り歩み寄る公算は極めて小さい。
軍中央司令部報道官は、停戦延長後の声明で「戦闘態勢は100%整っている。侵略の際には事前に決めた標的へ強力に攻撃する」と警告。譲歩よりも戦闘再開を辞さない対応を続けるとみられる。
【時事通信社】
〔写真説明〕反米、反イスラエルを示す壁画の前を通る女性=20日、テヘラン(EPA時事)
2026年04月23日 12時32分