
最先端半導体の量産を目指すラピダス(東京)は27日、同社に対しキヤノンや富士通などが新たに出資し、民間企業などによる今回の出資総額が計32社で1676億円になったと発表した。これまで様子見の色合いも強かった民間企業だが、ここに来て「期待以上」(小池淳義社長)の額が集まった。2027年度の量産開始に向け大きく前進した形だが、技術面での課題は残る。
小池氏は東京都内で開いた記者会見で、「状況を丁寧に説明して(企業の)理解が深まり、支援をいただくことができた」と謝意を述べた。
日中関係をはじめとする地政学リスクによる先端半導体の供給不安が背景にあるとみられる。出資企業は「半導体材料のリーディングカンパニーとしてラピダスの量産を支える」(富士フイルムホールディングス)「北海道の電力需要の増加や関連産業の進出を含む産業振興を期待」(北海道電力)など、相次ぎコメントを公表した。
ラピダスが量産を目指す回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体は、人工知能(AI)の普及に不可欠なデータセンターやロボット技術向けに需要が拡大し、供給不足に陥ることが懸念されている。小池氏は「要求と期待がどんどん強くなっている」と指摘し、海外を中心に60社以上と商談中であることを明かした。
ただ、2ナノを量産するにはさらなる技術的な改善が不可欠。小池氏も「試作はうまくいっているが、そう簡単ではない」と認める。採算を左右する良品率の向上もカギになりそうだ。
調査会社オムディアの南川明シニアコンサルティングアドバイザーは、「計画通り進んでいる。うまく量産にこぎつければ、先端半導体の供給元がTSMC(台湾積体電路製造)1社では困るという客がラピダスに付くのではないか」と話している。
〔写真説明〕記者会見で質問に答えるラピダスの小池淳義社長=27日午後、東京都千代田区
〔写真説明〕記者会見で質問を聞くラピダスの小池淳義社長=27日午後、東京都千代田区
2026年02月28日 07時04分