
親が育てられない乳児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」を設置する賛育会病院(東京都墨田区)は2日、昨年3月末の運用開始から1年で計20人が預けられたと明らかにした。一部の病院関係者だけに母親が身元を明かす「内密出産」で生まれたのは7人だった。
同病院は国内2カ所目となる赤ちゃんポストの運用を昨年3月31日から開始。病院や都によると、20人のうち19人が出生後24時間以内の新生児で、15人は酸素吸入などの医療行為が必要な状態だった。
判明した事例では、母親は10代3人、20代12人などで、自宅での出産が16人。生活困窮を訴える母親が多く「パートナーとの音信が途絶え、1人で養育できない」との声もあった。
内密出産を望んで受診した妊婦は20人おり、院内での検討などを経て実際に対応したのは7人。うち2人は出産後に自ら養育する意思を示したという。
記者会見した賀藤均院長(69)は「女性が孤独の中で悩んでいる状況がある」と強調。自宅出産は「リスクが高く、将来はなくなるよう社会が変わらないといけない」として、内密出産の制度化などを求めた。
〔写真説明〕記者会見する賛育会病院の賀藤均院長(左)ら=2日午前、東京都庁
2026年07月02日 15時34分