【ワシントン時事】米司法省は16日、連邦大陪審がボルトン元大統領補佐官を機密情報の不適切な取り扱いに関する罪で起訴したと発表した。ボルトン氏はトランプ政権批判の論客として知られ、トランプ大統領が繰り返す政敵への報復措置の一環とみられる。
司法省や米メディアによると、ボルトン氏は外交や防衛に関する機密情報を違法に個人のメールで送信。外国の敵対勢力や指導者に関する文書を自宅に保管していた。18件の犯罪事実で起訴され、有罪となれば最高で1件当たり禁錮10年が科される可能性がある。
トランプ氏は16日、ホワイトハウスで記者団に「ボルトン氏は悪いやつだ」と語った。
ボルトン氏はトランプ政権1期目に国家安全保障担当の補佐官を務めた。しかしその後決別し、2020年に出版した回顧録で政権の内幕を明かすとともに、トランプ氏は大統領にふさわしくないなどと指摘していた。
連邦捜査局(FBI)は8月、ボルトン氏の自宅と事務所を家宅捜索。米メディアによると、大量破壊兵器に関する記述を含む「機密」などのラベルが貼られた複数の文書が押収された。
【時事通信社】
〔写真説明〕ボルトン元米大統領補佐官=2022年8月、ワシントン(AFP時事)
2025年10月17日 15時36分