タイ警察、12歳少女の母親に逮捕状=人身取引容疑、2カ月内に日本移送



【バンコク時事】東京都内のマッサージ店でタイ国籍の12歳の少女が違法に働かされていた事件で、タイ警察は24日、人身取引とわいせつ行為あっせんの容疑で、少女を置き去りにした母親の逮捕状を取ったと発表した。母親は現在、台湾で売春に関わったとして拘束されており、警察幹部は「1~2カ月で日本に移送されるだろう」と述べた。

日本の警視庁は児童福祉法違反の容疑で母親への逮捕状を取得している。タイ警察は「法的手続きのため日本に身柄を移される予定だが、期限が間に合わない場合、タイに引き渡され訴追される」と説明。母親以外に事件に関わった人物がいないか捜査を続けていると明らかにした。

警視庁によると、少女は6月下旬に母親と来日し、そのままマッサージ店に到着。母親は翌日には姿を消したが、少女は店で寝泊まりしながら訪れた客への性的サービスをさせられていたという。売り上げは母親の関係者名義の口座に送金されていた。

少女の親族から聞き取りを行ったタイの支援団体によると、現在29歳の母親は約7年前に夫を亡くし、マッサージ師として一家を支えていた。知人の誘いで2022年ごろに訪日し、幼い弟の世話をさせるため少女を日本に連れて行ったが、タイに帰国させるための航空券を買う金がなく、知人のマッサージ店に預けたという。

タイ警察本部で24日に記者団の取材に応じた少女のおばは「めいが無事だという知らせを聞いてうれしい。家族に戻ってきてくれることを願っている」と涙を流した。祖母は「孫に早く会いたい」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕東京で違法に働かされていた12歳のタイ人少女のおば(左から2人目)と祖母(同3人目)=24日、バンコク

2025年11月24日 21時33分


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