
【ワシントン時事】トランプ米政権が中西部ミネソタ州で不法移民取り締まりを強化する中、連邦職員の発砲で2人が死亡し、波紋を広げている。野党民主党は2026年度予算案に反対する構えで、再び政府機関の一部が閉鎖される可能性が浮上。与党共和党からも詳細な調査を求める声が相次ぎ、取り締まりの正当性を主張していたトランプ大統領も25日、米紙のインタビューで「すべてを調査する」との発言を余儀なくされた。
ミネソタ州ミネアポリスでは今月7日、移民税関捜査局(ICE)職員の発砲で女性が死亡。24日にも、当局の発砲で男性が犠牲となった。国境警備隊幹部は25日の記者会見で「皆がより良い選択をすることで、悲劇は避けることができた」と人ごとのように述べ、任務継続を明言した。
犠牲者が出たにもかかわらず、強引な取り締まりが収まらないさまに、民主党の歴代大統領は「全米国民への警鐘だ」(オバマ元大統領夫妻)、「さらに良くないことに、責任者がうそをついている」(クリントン元大統領)などと強い懸念を表明した。
民主党は今週上院で採決される26年度予算案で、ICEなど国土安全保障省関連が含まれれば反対する方針を表明した。30日につなぎ予算の期限が迫る中、予算切れによる政府閉鎖を回避するには、上院での議事妨害(フィリバスター)阻止で民主党議員からの賛成が不可欠だ。
共和党からも、当局の対応に疑問の声が上がった。カシディ上院議員は「ICEと国土安保省への信頼が危機に直面している」と警告。穏健派のマカウスキ上院議員も「移民当局の訓練が十分なのか深刻な疑問が生じて当然だ」と指摘した。
トランプ氏は25日、SNSで「民主党地盤の都市や州はICEとの協力を拒んでいる」と決め付けた。しかし、いつもはトランプ氏に迎合気味な「身内」の懸念にも押される形で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで発砲に関して調査の意向を示すとともに、ICE職員らはミネソタ州から「ある時点で去る」と言明した。ただ、時期などは示しておらず、混乱収束は見通せない状況だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕25日、米中西部ミネソタ州ミネアポリスで、不法移民取り締まり中の連邦職員が発砲した現場付近に立つ男性(AFP時事)
2026年01月26日 20時30分