ロシア軍がシリアで傭兵募集と米高官=ウクライナは外国人部隊投入―3回目停戦協議、進展わずか



【ワシントン、イスタンブール時事】米国防総省高官は7日、ウクライナ軍の激しい抗戦で戦線がこう着する中、ロシア軍がシリアで傭兵(ようへい)を募集し、戦闘に投入しようとしていると明らかにした。これに対しウクライナ軍は、外国人部隊を首都キエフ郊外に展開させているとされる。双方の外国人動員によって、戦況はさらに混沌(こんとん)としてきた。

ロシア軍はこれまでに、ウクライナ国境地帯へ集結させた戦力のほぼ100%を投入したが、キエフや北東部ハリコフなどの都市を制圧できていない。米高官は「既に大規模な戦力を投入しているにもかかわらず、(ロシアのプーチン大統領が)外国の戦闘員に戦力の補充を頼らなければならないのは特筆すべき点だ」と指摘した。シリアでの募集人数や戦闘員の質などは不明という。

ウクライナのメディアによると、外国人部隊は既に配置に就いている。ウクライナ軍は「米国や英国、スウェーデン、リトアニア、メキシコ、インドからの義勇兵」がいると述べた。日本からの志願者もいるとされるが、前線に送り込まれたかは不明だ。

一方、米国防総省は欧州に500人規模の米軍部隊を増派する方針を決定した。ギリシャにKC135空中給油機を派遣するほか、ポーランドとルーマニアに航空支援作戦本部を設置し、ドイツにも後方支援部隊を派遣。これにより欧州に駐留する米軍は、巡回駐留する部隊を含め10万人規模になる。

ベラルーシ西部ブレスト州では7日、ロシアとウクライナによる停戦交渉の3回目の協議が行われた。協議の後、ウクライナ代表団は「(民間人避難のための)人道回廊について、いくらか前向きな成果があった」と表明。一方のロシア代表団は「交渉への期待は満たされなかった」と述べ、進展はわずかだったという認識を示した。両代表団は改めて4回目の協議を行う見通し。

【時事通信社】 〔写真説明〕7日、ウクライナ北東部ハリコフへの砲撃で破壊された乗用車(AFP時事) 〔写真説明〕7日、ベラルーシ西部ブレスト州で、停戦交渉に臨むロシアとウクライナの代表団(AFP時事)

2022年03月08日 06時35分


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