当事者「人生守る薬」=性教育充実、重要性指摘も―緊急避妊薬の市販化



緊急避妊薬(アフターピル)の市販化に当たり、当事者団体の女性は「人生を守る大事な薬」として、入手環境のさらなる改善を求めている。性教育を充実させる重要性を指摘する意見もあった。

「緊急避妊薬を飲めるかで人生が変わることがある。人生と健康を守る薬」。市販化を推進してきた性教育を行うNPO法人ピルコンの染矢明日香理事長は、「避妊に失敗することはあり、誰にでも必要になり得る。薬局で手に入るようになり一歩進んだ」と評価する。

同薬は性交後の時間経過に伴い効果が下がるが、これまで医師の処方箋が必須だった。染矢さんの元には、仕事や学校を休めなかったり、産婦人科まで遠かったり、性暴力に遭ったりなど切実な声が寄せられる。「どんな状況でも、妊娠を望まない人が薬を飲める環境が大切だ」と話す。

市販化では薬剤師の面前での服用が要件だが、「性的にネガティブな経験をした時などは強制されたり、薬剤師と2人になったりする状況がハードルになることもある」という。同薬は高額だという声が以前からあり、「人によっては服用を諦める金額で、特に若年層への公的支援が必要だ」と訴えた。

東京産婦人科医会副会長で女性ライフクリニック理事長の対馬ルリ子医師は「欧米では数十年前から薬局で扱われ、避妊の一環として広く使われてきた安全性の高い薬。市販化は当たり前だ」と受け止める。「緊急避妊も中絶も、女性には起こり得るアクシデント。ただ、中絶したくて妊娠する人はおらず、選択肢は多い方が良い」と話す。

市販化後も、薬の作用や今後の避妊に対する専門家のサポートは不可欠とし、国は財政的に支援する必要があると述べた。

避妊や妊娠など女性の体と健康の知識が浸透していないと感じており、性教育を充実させるべきだと指摘。「女性が仕事や出産など人生をどう生きるか、主体的に考えられるよう育むことが重要だ」と強調した。

〔写真説明〕NPO法人ピルコン理事長の染矢明日香さん=1月20日、東京都渋谷区 〔写真説明〕緊急避妊薬について語る対馬ルリ子医師=1月20日、東京都中央区

2026年02月02日 07時04分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース