
28人が犠牲となった静岡県熱海市の土石流災害から5年となる3日、被災地域の伊豆山地区で市主催の追悼式が開かれた。遺族らが参列し、犠牲者の冥福を祈った。
式典は午前9時から復旧復興事業の一環として3月に完成した「伊豆山コミュニティ防災センター」で行われ、鈴木康友知事と斉藤栄市長も出席。28人の名前が読み上げられた後、参列者が黙とうし献花した。斉藤市長は式辞で「記憶と教訓を決して風化させてはならない。次の世代に確実に伝えることは今を生きる私たちの責務だ」と述べた。
娘=当時(44)=を亡くした小磯洋子さん(76)は「行政は人命と財産を守る必要があったのにできていなかった。事件であり、人災であり、行政は『災害』と言って逃げないでほしい」と訴えた。
発生の第一報が入った午前10時28分には一斉にサイレンが鳴らされ、遺族らは自宅のあった場所などに移り黙とうした。
土石流は2021年7月3日に発生。大雨の影響で、盛り土が造成された逢初川最上流部を起点に推定約5万5500立方メートルの土砂が崩落し、港まで流れ下った。住宅など136棟が巻き込まれ、災害関連死1人を含む28人が死亡。最大582人が避難を余儀なくされ、現在も12世帯25人が避難生活を続けている。
〔写真説明〕自宅があった場所で、手を合わせて祈る土石流災害の遺族=3日、静岡県熱海市
〔写真説明〕土石流災害から5年となり、追悼式で献花する遺族の小磯洋子さん=3日、静岡県熱海市
2026年07月03日 11時59分