外務省局長が訪中=台湾有事発言巡り協議へ



【北京時事】外務省の金井正彰アジア大洋州局長が17日、中国・北京を訪れた。台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁が日中当局間の応酬に発展し、関係悪化の懸念が強まっていることを踏まえ、中国側関係者と対応を協議する。金井氏は、答弁は従来の日本政府の立場を変えるものではないと説明し、理解を求める見通しだ。

金井氏は同日午後(日本時間同)、北京の空港に到着。報道陣の呼び掛けには応ぜず、無言で迎えの車に乗り込んだ。18日に中国外務省の劉勁松アジア局長と会談する方向で調整している。

台湾問題を「核心的利益の中の核心」と位置付ける習近平政権は、台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るという高市氏の答弁に強く反発。13日には中国外務省の孫衛東次官が金杉憲治駐中国大使を呼んで抗議した。

孫氏は、高市氏が発言を撤回しない場合、「一切の責任は日本側が負わなければならない」と表明。国民に日本への渡航自粛を呼び掛けたほか、留学計画も慎重に判断するよう注意喚起した。金井氏は重層的な交流の重要性を強調し、呼び掛けの撤回を促す見込みだ。

高市氏の答弁に対しては、中国の薛剣・駐大阪総領事が「汚い首は斬ってやるしかない」とSNSに投稿し、与党などから国外退去処分を求める声が上がる。金井氏はこの問題を巡る「適切な対応」も求めるとみられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕17日、中国・北京の空港に到着した外務省の金井正彰アジア大洋州局長

2025年11月17日 15時42分


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