
【ワシントン、北京時事】トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が24日、電話会談した。米中両政府が発表した。中国外務省によると、習氏は「台湾問題における中国の原則的立場」を説明。高市早苗首相の台湾有事を巡る発言で日中関係が悪化する中、トランプ氏を中国側に引き寄せ、日米連携にくさびを打ち込む狙いがあるとみられる。
両首脳は10月30日に韓国で対面で会談したばかりだが、台湾問題を中心に議論したのは第2次トランプ政権発足後で今回が初めてとみられる。トランプ氏は会談後、米中関係は「非常に強固だ」とSNSに投稿。習氏が来年後半に国賓として訪米すると明らかにした。
中国側によると、習氏は電話会談で、日本が統治していた台湾の「中国への回帰」は「戦後国際秩序の重要な構成要素だ」と指摘。日本の名指しを避けつつも、米中は第2次大戦で「ファシズムと軍国主義」に対して共に戦ったとして、その「勝利の成果」を共同で守っていくべきだと訴えた。高市氏の台湾問題を巡る発言が戦後の国際秩序に合致していないと主張し、日本をけん制する意図があったとみられる。
中国外務省によれば、トランプ氏は「台湾問題の中国にとっての重要性を理解している」と語った。
一方、トランプ氏は合成麻薬「フェンタニル」問題や中国による米国産大豆の購入拡大など、韓国で合意した事案で「重要な進展」があったと表明。ただ、台湾問題や日中関係には言及しなかった。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領(右)と中国の習近平国家主席(AFP時事)
2025年11月25日 17時28分