中3国語、記述式に課題=理数科目への関心、女子は低調―全国学力テスト結果・文科省



文部科学省は31日、小学6年と中学3年を対象とする今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。中3国語の記述式問題の平均正答率は25.6%にとどまり、特に自分の考えが他人に伝わるように記述することに課題がみられた。理数科目の勉強を「好き」「得意」と感じている女子が男子より少ないことも分かった。

今回初めて、平均正答率などの男女別集計も公表された。小6、中3のいずれも国語は男子より女子の正答率が高く、国語の勉強が好きか、得意か、授業がよく分かるかを尋ねる質問に「当てはまる」と答えた割合も女子が高かった。

一方、算数・数学と理科は、正答率に大きな男女差はなかったが、好き、得意、よく分かると感じている割合は、小6、中3のいずれも女子の方が少なかった。

算数・数学と理科にみられた傾向は2023年の「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)でもうかがえた。文科省の担当者は「周囲の影響で生じるアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)や、生物学的な男女差などが複合した結果ではないか」と話している。

科目別の平均正答率は既に公表済みで、小6が国語67.0%、算数58.2%、理科57.3%。中3は国語54.6%、数学48.8%。問題の難易度が異なるが、いずれも前回を下回った。中3理科は生徒ごとに出題内容が変わるコンピューター使用型(CBT)に移行したため、500点を基準に算出するスコアの平均が公表され、505点だった。

全国学力テストは4月に実施され、国公私立約2万8000校の児童・生徒約190万人が参加。文科省は例年、調査結果を7月下旬にまとめて公表してきたが、今回は一部を前倒しした。都道府県や政令市別の結果は秋ごろに示される見通し。

【時事通信社】 〔写真説明〕2025年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に臨む児童たち=4月17日、東京都内の小学校

2025年08月01日 12時41分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース