日本軍政は「植民地支配」=歴史書改訂、より否定的に―インドネシア



【ジャカルタ時事】インドネシア政府が近く公表する新たな歴史書で、太平洋戦争中の日本軍政時代(1942~45年)についての用語が、従来の「占領」よりも否定的な意味合いが強い「植民地支配」に変更されることが分かった。歴史書の改訂を主導した専門家が明らかにした。

変更の理由について、改訂チームトップの1人、ディポネゴロ大学のシンギ・トリ・スリスティヨノ教授は時事通信の取材に「日本は主権の剥奪や経済搾取といった植民地主義の特徴を備えた支配を行った」と説明。植民地支配の方が「実際の歴史経験を正確に表現している」と語った。

シンギ氏によると、インドネシア語における「占領」には、残酷な意味だけでなく前向きな響きもある。一方、「植民地支配」には「残酷な意味合いしかない」という。

現行の歴史書では、オランダ統治時代は植民地支配と表記される一方、それに続く日本時代には占領が使われている。日本軍が現地人を労働力として徴発したことや、インドネシアの若者に伝えられた「武士道」の精神が後の独立戦争の際に結果的に役立ったことなどへの言及がある。

シンギ氏は「支配者が西洋からアジアに代わっても、民衆が経験したのは征服や強制、暴力で、本質は変わらなかった」と指摘。用語の変更により、「上からではなく、『抑圧された側』から歴史が読み直される」と訴えた。

プラボウォ大統領はかねて、過去の外国による支配に批判的な発言を繰り返してきた。シンギ氏によると、用語の変更は「インドネシアの独立は誰かの『善意』により与えられたものではなく、長い不正義の経験から生まれた」というプラボウォ氏の歴史観と合致する。

インドネシア政府は、120人余りの専門家を集め歴史書の改訂に取り組んでいる。当初は昨年8月の独立80年の節目に合わせまとめる予定だったが作業が遅れ、今月中の公表を目指している。

【時事通信社】 〔写真説明〕旧日本軍が第2次世界大戦中に造ったとりで跡=2021年2月、インドネシア西部アチェ州ウェー島サバン

2026年02月02日 08時01分


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